睡眠に必要なのは量ではなく質

申し上げるまでもないのですが、睡眠をとり、ぐっすり眠ることこそが、もっとも有効な疲労回復法です。しかし、日本人は外国の人々と比べても、あまり寝てはいません。日本人の平均睡眠時間は7.7時間で、これはアメリカ人の8.8時間に比べると約1時間も短いという結果が出ています。
多くの研究でわかっていることなのですが、睡眠時間が6時間を切切ると人は健康を害します。ただし、正しい睡眠とは「時間」ではなく「質」です。それによって疲労が取れるかどうか決まります。

人の体は疲労することで、筋肉内の細胞が炎症を起こすようになるのですが、睡眠中に成長ホルモンが分泌されて、それを修復するようにちゃんとできています。昔から寝る子は育つと言われているのは、実は本当のことなのです。
しかし、よく休み、よく寝るために、どうすればいいかを知っている人はほとんどいません。単純に休んで寝ただけでは疲労はとれません。

まずは、睡眠の質を高めるために必要な知識を紹介します。
そもそも疲労が溜まる原因は、「活性酸素」の影響なのです。
活性酸素は、身体の中で酸素を利用して代謝が行われた過程で発生する。生物としての人間は、何らかの活動をするときに、必ず大量の酸素を必要とします。そのため、身体内においても脳内においても活性酸素が発生し、それが許容量を超えると、細胞が酸化して錆びついていくのです。つまり、細胞の機能が低下するわけで、これを疲労というのです。
このような細胞が錆びつく過程で発生する老廃物が、疲労因子される「FF」 の発生を促す。そして、発生したFFが脳に疲労のシグナルを送ることで、私たちは疲れを感じるのだ。逆に言えば、活性酸素とFFを取り除くことができれば、疲労から回復することができるというわけだ。
そして、もう1つ、近年の疲労や睡眠の研究で注目されてきたのが、「セロトニン」という神経伝達物質です。人間の体内にあるセロトニンの9割が脳にあり、その働きによって疲労から回復することが分かってきている。
セロトニンは、活性酸素とFFの発生による疲労の発生には直接は作用していない。ただ、セロトニンから生合成される「メラトニン」が活性酸素を除去する力を持っているため、疲労回復のための必須な物質とされるようになったのだ。

アドレナリンがストレスに対応して血液の供給を増やし筋肉を緊張させたり、心拍数や血圧、血糖値を高めたりするのに対し、セロトニンは精神を安定させ、幸福感を生み出す。このため「幸せホルモン」とも呼ばれている。

ただし、正確にはセロトニンがホルモンではない。ホルモンは、それぞれの臓器が分泌して、血液中に放出され、体の機能に影響を与える物質のことだが、セロトニンは、ほぼ9割が脳内で分泌されるだけだからだ。
セロトニンは、イライラ、怒り、不安、恐怖、衝動、攻撃性などのネガティブな感情を押さえ込み、心の安定を保つ働きがある。だから、セロトニンが不足すると、ネガティブな感情の抑えが効かなくなって、怒りっぽくなったり、小さなことでイライラしたり、くよくよしたり、恐怖を感じると激しく叫んだりと、感情が暴走しやすくなる。ネガティブな感情の暴走は、ストレスの増加と脳の疲労につながるのだ。

セロトニンは自律神経に働きかけ、自律神経のバランスを整えてくれる。自律神経のバランスが整うと、交感神経と副交感神経の切り替わりがスムーズに行われる。また、セロトニンは、痛みの調整をする機能がある。そのため、セロトニンは自前の鎮痛剤とも呼ばれている。
このことから、仕事をする時に脳内でセロトニンが分泌されていると、意欲が集中力が持続し、脳が疲れを感じにくくなるため、仕事がはかどる。逆に、セロトニンが不足している時は、イライラしたりして注意力が散漫になって集中できず、仕事がはかどらない。つまり、セロトニンが十分に分泌されれば、脳は疲労を感じないというわけだ。

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