天気の話は有効か?

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営業マンがお客との雑談でよく使いがちなのが「天気の話」だ。
営業に関する書籍でも、天気の話から始めようと書いてある。
しかし、売れている営業マンほど天気の話はしないのだ。

●天気の話は有効か?
営業を始めて間もない頃。
お客のところへ初めて一人で行くことになり、緊張でガチガチで結局うまくいかず。
何より、初めにどんな会話をすればいいのか分からない。
上司に相談すると「天気の話をすればいい」というアドバイス
ところが、まったくダメである。
なぜか会話が続かないのだ。
別のお客のところでもやってみたが、やはりうまくいかない。
天気の話は使えるのかという疑問に思う日々。
その疑問を売れている営業マンに聞いてみた。
「オレは天気の話はしないよ!」
上司のアドバイスとは真逆の答え…。

●話題の良し悪しは相手の関心度があるかどうかで決まる
天気の話は、誰でも簡単に使えるので話しやすい話題だ。
話しベタな人でもすぐに切り出せるので、つい使ってしまう。
しかし、雑談というのは、一人で話すものではない。
お互いに会話にならないと意味がないのだ。
そう考えると「今日はいい天気ですね」で会話を切り出すことができても、そのあとの会話に発展しにくいのがこの話題の特徴であるのだ。
もちろん天気の話が絶対にダメということではない。
うまく会話ができるのであれば、立派な雑談のネタになる。
そのためには、それなりの会話スキルも必要になる。

ではな会話が発展しにくいのか?
それは相手の「関心度の差」である。
台風などの特別な気象なら別だが、たいていの人は穏やかな天気には関心はない。
関心のないことについて話をしようと思わない。
話題を振っても「そうですね」で終わってしまうのは、相手に関心がない証拠だ。
また天気は広範囲の話題になる。
関東エリアが晴れだったら、関東のどこに行っても晴れの話題になる。
つまり話題のエリアが広すぎるのだ。
それよりも相手の身近にあるものを話題にしたほうが、関心度が高いので『相手にとって話しやすい』ことになる。

●相手の身近にあるものは、相手の関心度も高い
駅からの道のりは、その人にとって日常で身近な光景である。
できる営業マンはそれを見逃さない。
駅からお客のところへ向かう途中の建物や風景などをチェックする。
そして、いざ商談に入る前にこう切り出す。
「ここに来る途中で人が行列をつくっているラーメン屋がありましたけど、有名なんですか?」
「駅を降りてすぐのところに、懐かしい駄菓子屋があるんですね。つい寄りたくなりました」

相手がよく使っていると思われる道で見つけた話題なので、知っている可能性が高い。
知っていることなら話しやすいのは当然である。
「あそこは昔から有名なんですよ。味噌ラーメンがおすすめです!」
「あの駄菓子屋は私もつい寄りたくなりますよ」
こんな感じで答えてくれるだろう。
たとえ口ベタだとしても、相手の周辺情報を観察してそれを話題にする雑談なら、比較的に容易にできる。
さらに、ルートセールスなど定期的に会う相手に対しても、天気の話題ばかりでは芸がない。
常に新鮮な話題を心がけるようにしよう。

●まとめ
天気の話で満足してしまっている営業マンは、もっと視点を変えなければならない。
いつも天気の話だと、お客からもそれなりの評価しか得られない。
天気の話は異常気象のときだけにしよう。
関心度の高い会話を目指すなら、相手が普段から目にしていそうなことを見つけることだ。
そしてそれを話題にすること。
いかに相手にしゃべりやすい話題を見つけるかを意識するのだ。