記憶力と睡眠には相関関係がある?

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頭の良さについて考えたとき、最初に思い浮かぶのは記憶力だろう。

記憶力を良くするためには睡眠がとても重要である。なぜなら、睡眠中に脳は記憶の整理を行っているからだ。

記憶は、①覚える・②覚えておく・③思い出す・④忘れるの四つの段階に分けることができ、それぞれが睡眠と大きく関わっているのだ。

▼目次

覚える

本を読んだり、人から教えてもらったことがスイスイ頭に入ってくる時と、いくら読んでも少しも頭に入ってこない時がある。

これは脳に容量制限があるからだ。

脳は一つの内臓にすぎない。食べ過ぎれば胃の調子が悪くなるように、脳にも容量制限があり、それを超える情報を飲み込むことはできず、容量オーバーになれば、話を聞いていてもその内容が頭に入ってくることはない。そうならない為にも飲み込んだ情報をちゃんと消化して、次の情報のために空き容量を作らなければならないのだ。

この空き容量が作る作業が、睡眠中に行われている。

睡眠を使いこなすことは、脳に効率よく空き容量を作ることであり、それが結果として記憶力を高めることになるのだ。

覚えておく

次に、学んだことを覚えておく段階となる。

まずは記憶に関するイメージを共有しておく。記憶の引き出しという言葉があるが、もし脳の中が引き出しのようになっていて、覚えたことが引き出しにしまわれるイメージを持っているなら、このイメージを変えなければならない。

脳は覚えたことをそのまま記憶する仕組みになっていない。覚えた事は、要素ごとに分解され、似た要素のグループにまとめられて、別々に保存される。バラバラに保存された記憶は、状況に応じて集結して思い出されるのである。

引き出しと違う点は、終結する時の情報の組み合わせがその時々で自由に変わることだ。いわゆる頭がよい人は終結させる能力が高いとも言える。

例えば、試験の解答を丸暗記しても、その通りの問題が出るわけではない。問題に合わせて覚えている要素を集結させて答えを導き出すなければならないからだ。このような時、脳内のネットワークから情報を自由に組み合わせる能力があれば、柔軟に対応することができる。

このように情報を適切に集結させるためには、脳内のネットワークに新しい配線を作り、間違った配線や使われることがない配線を排除する作業が必要であり、その作業が睡眠中に行われているのである。睡眠をうまく活用すれば、記憶情報を終結させる能力が高まり、どんな状況に対しても、柔軟に答えを導き出すことができるようになるのだ。

思い出す

思い出すという行為は、脳の注意力と深く関係している。

例えば、物を取りに行ったのに、何を取りに行ったのか忘れてしまった…という経験はないだろうか?

これは脳内に浮かんだ考えに向けていた注意が、それてしまったことにより起こる現象である。これを物忘れだと自覚する人が多いのだが、実際には忘れていない。もう一度同じように物を取りに行くと、ほとんど思い出せるはずだ。

つまり、忘れたのではなく、脳内の注意が逸れてしまったのだ。

脳内に浮かんだ考えに注意を向け続ける能力も、睡眠に関係している。実は睡眠不足が続くと、情報を遮断する能力が低くなることが知られている。

注意が遮断できないことがよく表れているのが残業時間である。企業で睡眠マネジメント研修を行い、睡眠が改善すると残業時間が減少した。これは一つ一つの仕事が邪魔されずに終わらせられるようになることで、全体の作業時間が短縮したからだ。

逆に、睡眠不足の状態では、気になったことに手をつけては中途半端なまま、次の作業に手をつけてしまうので、時間ばかりかかって、どの仕事も完結せず、残業時間も増えて、睡眠時間が減るという悪循環にはまってしまうのである。

忘れる

忘れることは悪いことのように感じる人もいるかもしれないが、忘れることも記憶の大切な機能の一つだ。脳には記憶の容量制限があるが、いかに必要のない情報を忘れられるかが、新しいことを吸収する上で重要なのである。

例えば、ある人の話が面白かったことを鮮明に記憶していて、そのことをよく思い出すが、覚えているのはその人が面白かったことだけで、肝心な話の内容を思い出せない…という経験はないだろうか?

面白かった・つまらなかったと言った感情の情報は容量が大きいため、話の内容自体を思い出すことができなくなってしまったのだ。

この感情の記憶を消去し、事実だけ純粋に学んだ記憶だけにそぎ落とす作業が睡眠中に行われている。この作業が十分に行われていなければ、感情記憶に脳の容量が支配されてしまい、重要な情報を保持できるスペースが少なくなる。

感情の情報は時が経つにつれ薄まってくるが、これは脳の容量制限を超えさせないためには必要なことなのである。つまり、感情に支配させると、人は生きていくことができず、場合によっては死んでしまう可能性もある。

だからこそ、適切に睡眠をとり、感情の情報を希釈させていくことで、健全な生活を送ることができるのである。

まとめ

さて、睡眠と記憶力との相関関係があるか?という問いについてであるが、ずばり相関関係にあると断言できる。

適切に睡眠をとることで、いらない情報を処分し、新しい記憶を定着させることになるからだ。

睡眠時間が不足すると、記憶の定着化がされず、実生活でも支障をきたすことにもなる。

記憶力を高めたいのであれば、今からでも睡眠改善を図るべきである。