脳が集中できる時間帯は何時?

脳にはあらかじめ時間割が備わっている。これに合わせて勉強するのだ。人間の脳は、能力が下がっている時間帯に無理して頑張るより、能力が高まる時間帯に鍛える方が効率よく成長する。あなたの脳が、どの時間帯に勉強したらいいを解説する。

▼目次

既成事実をつくる

あなたは三日後に試験を受けることになったとする。時間がないので、集中して勉強しなければならない。さて、あなたの脳は何時頃に、どこで勉強してるイメージをしただろうか? 覚めてすぐ、自分の机で資料を読んでるイメージだろうか?それとも、夜遅い時間にメールチェックや SNS を一通り終えてから、机に向かってるイメージだろうか?

脳は、基本的にこれまでの記憶に基づいて行動する。特に行動の基準になるのが視覚映像、つまり、イメージだ。あなたの脳が、夜中に勉強している自分をイメージしたならば、あなたはどのような課題を与えられても、夜中に取り組むことを前提に1日のスケジュールを立てる。朝からずっと時間があっても、夜中に取り組んでしまうのだ。

これは、あなたが課題をめんどくさいと思って先延ばししているのではなく、あなたの脳が、夜中に勉強したという記憶に基づいて計画しているだけなのだ。だから、自分の先延ばしにする癖を無理に治そうとは考えず、脳に別のイメージを既成事実として作ることを考えるとよい。

例えば、夜中に勉強をする生活リズムから、思い切って朝方の生活に変えたいと考えたとする。しかし、なかなか朝早く起きられなかったり、せっかく早く起きても、のんびりしているうちにいつもの時間になってしまったり、なかなか朝勉強するリズムが作れない。これも原因は、夜中に勉強しているイメージが脳の中に出来上がっているからだ。

そこで、このイメージを変えてみるのだ。朝目覚めたら、それが何時でも構わないので、なによりも先に勉強にちょっとだけ手をつけるのだ。着替えたり、トイレに行く前に、机に座って参考書を開き、ノートに数行書き込むだけでOKだ。目的は、あなたの脳に、「朝勉強した」というイメージを既成事実として作ることにある。別に集中して勉強する必要もない。

いつもと違う記憶が作られたので、新しい行動パターンを脳は急いで作り始める。目覚めたら机に行くというパターンが出来上がるのだ。そうすると、なぜか朝目覚めてすぐ勉強に取り掛かることに、何の抵抗もなくなる。望ましい生活習慣を作るには、この既成事実作りがとても大切なのである。

脳には時間割が存在する

脳は、起床12時間後から徐々に働きが鈍くなるので、夜中に勉強をすると、朝に比べて時間がかかるわりに高い効果は見込めない。勉強を効率的に行うには、朝に取り組むのが理想的だ。

ただ、ここで言う「朝」は、自分にとっての朝のことを言う。例えば、17時に起床して夜勤をする生活の人なら、その人にとっての朝は17時になる。17時に目覚めたら、脳に光を届けて朝をスタートさせる。そして、午前10時頃に就寝するならば、その前3時間は暗くして過ごす。このように、現実に自分が過ごすスケジュールを中心にして、朝と夜を自分で作ることが良い睡眠のためには必要だ。

我々が1日を通して最も頭が良いのは起床から4時間後。そして、日中で一番頭が働かないのが起床8時間後である。ということは、午前中はのんびりして、午後から勉強始めるスケジュールを立てるのは非常にもったいないと言えるだろう。順番を逆にして午前中に勉強をし、午後の早い時間には手や体を動かしあまり頭を使わないようにする。こうするだけで、勉強時の集中力が高まるだけでなく、体を動かしてる時に頭の整理ができる理想のスケジュールになる。

このように自分の生活は大きく変えずに、順番を変えるだけで勉強の効果も何もかも大きく変わるのだ。

脳の時間割

〇起床1時間後
この時間は前日に覚えたことを復習する。睡眠中には記憶の整理が行われ、起床直後はその整理作業が終わった状態だ。すっきりしている時に、前日学んだ重要なことをもう一度勉強すると、その回路は重要であることが脳にも分かりやすく、しっかり記憶される。

〇起床2時間後
男性ホルモンのテストステロンの分泌が高まり、重要な決断ができる時間だ。この時間は、今後の進路やそこに向けた勉強の方針など、自分にとって大切なことを決めるのだ。

〇起床3時間後
記憶力が高まる時間だ。単純に覚えるだけでも良いことを中心に学習する。

〇起床4時間後
最も頭が冴える時間だ。難しい問題にチャレンジするなど、これまでの知識を動員して取り組む課題を設定する。

〇起床5時間後
免疫力が高まり、メンタルが最もタフな時間だ。プレゼンテーションなど、緊張や不安を伴うことも臆することなく取り組める。

〇起床6時間後
気分が良い時間だ。考え方が自然にポジティブになるので、周りの人と進捗状況を報告しあったり、将来のことについて話すことに抵抗がなくなる。

〇起床7時間後
眼と手の協調能力が高まり、手作業が正確にできる。技術的なことの練習や発表資料の作成に適している。

〇起床8時間後
睡眠物質により最も頭が働かず眠くなる時間だ。資料やファイルの整理をするなど、単純作業にあてる。

〇起床9時間後
気分が安定し、失敗を振り返ったり、反省することや、褒められることで行動が修正しやすい時間だ。指導者からのフィードバックを受けるのに適している。

〇起床10時間後
起床3時間後と同じように記憶力が高まるので、記憶学習に費やす。

〇起床11時間後
体の動きが最も活発で、1日を通して一番元気な時間だ。起床後の早い時間は集中力や想像力が高まるのに対し、この時間はスピードに優れている。やるべきこと、今日中に行なわないといけないことをテンポ良くを片付けるのだ。

〇起床12時間後~
ここからは集中力が低下し、頭の働きが鈍ってくる。ただこの時間からは、無理に頭の働きを高めようとする必要はない。脳の働きが低下するのは、1日を通して脳内に溜まった情報を、睡眠中に整理するために必要なことなので、学習のピークを起床後に持っていくようにスケジュールを組むのだ。

〇就寝1時間前
この時間は、入浴やストレッチ体操など、何らかの方法で一旦体温を上げるのだ。その反動で1時間後に急激に体温が下がり、深い睡眠が作られる。深い睡眠中に記憶が定着するので、入浴後1時間を最も大事なことを学習する時間にあてるのだ。起床後にこの内容を見直すことができれば、その記憶は確実に脳内に定着する。

まとめ

脳の時間割の中で、最も自分が取り入れられそうな時間割を実行してみる。方法は、まず既成事実を作って脳に新しいスケジュールを立てさせる。この時間割に沿った行動を一つ実行してみるだけで、生活が変わることが実感できるはずだ。この仕組みがわかれば、自分にぴったりの生活をいつでも作ることができるようになる。

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