得意不得意で環境を変える

脳をやる気にするための3つめの条件として、課題の環境設定がある。ここでは、得意不得意に応じた環境を変えることのメリットを説明する。

▼目次

結果が予測できる状況を増やす

脳がやる気になるのは、50%は既に結果が分かるが、残り50%はやってみなければわからない状況である。

勉強をしている時に、どこから手をつければ良いのか全然分からない問題ではやる気がなくなってしまうが、もうちょっとで解けそうという問題は、寝食を忘れてつい没頭してしまったという経験があるだろう。もうちょっとで解けそうという状況を意図的に作ることができれば、自然にやる気を起こさせることができるというわけだ。経営者やアスリートの中には、自分の些細な変化を見逃さず、どんな事態にも対応できるように、日常生活を極力変えないようにしている人もいる。

やってみなければわからない状況が多すぎるならば、結果が分かりきった状況を意図的に増やすのだ。例えば、朝起きてから出掛けるまでにやることの順番を変えない。洋服の色を決めて他の色を着ない。コンビニで買う飲み物や食べ物を変えない。選択する機会を極力少なくするのだ。こうすると脳は、結果が予測できる状況が増えて、無駄に予測するエネルギーを消費せずにすみ、その節約できたエネルギーを、本当に大事な場面に集中させることができる。

苦手な勉強は、あなたの脳にとって、予測できない状況ばかりなので、勉強以外の日常生活の中で、脳が選択する場面を極力少なくするのだ。勉強する場所も服装や持ち物も同じにし、机に乗せる本も一つだけにする。このようにエネルギーを温存された脳ならば、苦手な勉強にも集中できる。

ノルアドレナリン

分かる状況と分からない状況を意図的に作ることで、脳の中ではノルアドレナリンという物質の量が調整される。ノルアドレナリンとは、脳を目覚めさせる役割を担っていて、我々が集中するために必要な物質だ。

ただ、このノルアドレナリンの量と、我々の集中力の間には少し変わった関係がある。ノルアドレナリンは単に増えれば良いというわけではない。我々の脳は、ノルアドレナリンが少なすぎても集中できないが、逆に多すぎても集中できなくなる。

例えば、単調な口調で既に知っている内容の講義を淡々とされると、その授業は集中できず、眠くなることがある。しかし、知らない分野の専門用語がたくさん登場する講義や、極端に緊張する場面でも、集中力がなくなり眠くなりがちだ。これは、ノルアドレナリンと集中力の関係を示す現象である。

マンネリ化したら新しい刺激を

勉強生活をスタートしてから、スケジュールの作り方や勉強方法が決まってくるまでは、脳は予測できないことが多いので、極力日常で変えないことを作ることが求められる。

しかし、順調に勉強生活のペースが出来てくると、やる気が起こらないということが頻繁になってくる。生活のペースに慣れてきたとも言えるが、これはあなたの脳が予測できる状況が50%以上になっている言えるだろう。すると今度は、予測できない状況を日常生活に増やすことが必要となってくる。

毎日同じパターンを繰り返していて、勉強がマンネリ化してきたら、勉強以外のことで、脳に新しい刺激を加えてみる。やることは先ほど述べたことの引き算の逆だ。普段着ない色の洋服を着る、バッグや文房具を変える、行ったことない場所で勉強する、食事を変える…このように、今度はやってみないと結果がわからない要素を追加するのだ。

場所、洋服、持ち物、食事、一緒に勉強する人、それぞれの行為の順番、通勤、通学路などを使って、新しい刺激を足したり引いたりする。こうして、脳がやる気になるように仕向けていけば、またすんなり勉強に取り掛かることができるはずだ。

まとめ

集中したいときは、極力変化することは避け、結果が予測できる状況に環境を設定すると良い。その集中力を高める物質がノルアドレナリンなのだが、少なすぎても多すぎてもダメてまある。初めて学ぶ内容であれば、予習をしてから望めと、講義中に眠くなることなることはない。しかし、マンネリ化してくると、集中力ややる気がなくなることもあるので、予測できる結果が60%以上になったら、新しいことを追たり、今までやっていた行為をやめてみて、環境に変化を与えることも大切になってくる。

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