「それ」しかない場所をつくる

「それ」しかない場所をつくると集中力が高まります。逆に、「あれ」も「これ」も一つの場所で行うと気が散ってしまい、集中力は低下します。この記事では、集中力を高める場所作りを説明します。

▼目次

勉強机では勉強しかしてはいけない

机を改めて見てみると、そこに置かれているものの中で、勉強に関係ないものはないだろうか?もし、勉強に関係ないものが置いてあったら、それを机の上に置かないようにしなければならない。

例えば、あなたが机でお茶を飲んだ時、脳にはその机でお茶を飲んだという記憶が作られる。すると、またその机に座ろうとすると、脳はお茶を飲むのに必要な機能を働かせ、お茶でも飲もうかなという発想が自然と浮かんでくる。

お茶を飲んだこと自体、無意識で行なっていることなので、その机でお茶を飲んでいることすら覚えていないかもしれないが、あなたの脳は、あなたが作った記憶に基づいて、忠実に次の行動の準備をしてしまうのだ。脳は効率を上げるために、場所を頼りに記憶を検索し、自動的に準備するようになっている。この脳の働きを十分に活かすならば、あなたのやるべきことは、その机は勉強しかしないという記憶を脳内に作ることなのだ。

まず、机の上に置いてある、勉強に関係ないものを排除する。飲み物・食べ物・スマホ・パソコン・リモコンなど、これらをその場所に持ち込まなければ大丈夫だ。整理整頓は脳の働きをスムーズにする。重要な作業である。整理整頓が苦手な人は、まず勉強する机を決めて、その机の上にある物を棚やバッグにしまう。そして、その場所にだけは、勉強に無関係なものを持ち込まないようにする。

勉強をしていて飲み物を盧みたくなったら、その場所を離れ、飲み飲み終わったら何も持たずに机に座る。スマホで情報を検索したくなったら、その場を離れること。とにかく勉強以外のことが、その机で行われているという記憶を脳に作らせないこと。これだけが重要なのである。

勉強をしている時の習慣はなかなか変えられない。勉強しながらお菓子を食べる習慣がある人は、お菓子を我慢するのはとても大変だ。無理に習慣を変えようとせず、場所を変えてみる。勉強してお菓子を食べたくなったら、別の場所に移動する。これならできるはずだ。

机以外の場所を用意するのが難しいとき

机では勉強以外のことをしないと言われても、そこしかする場所がないという場合は、スペースを区切ってみる。脳は視覚を使って、場所と行為のセットを記憶する。視覚的に場所が区切らればいいのだ。

例えば、机を半分に分割して、飲み物やお菓子は右側にしか置かない。こうすれば、右側に手を伸ばそうとした時に、これからお菓子を食べようとしていると気づく。勉強以外の行動が勉強の妨げになるのは、それを無意識のうちに始めてしまうからだ。気がついたらお菓子を食べていた…こんな状況が作られるのは、脳が自動的に行動しているからであり、この自動操縦から離れなければ、お菓子を食べることはやめられない。

お菓子の場所が視覚的に決まっていて、そこに手を伸ばして食べようとしていることに気づけば、一旦自動操縦から離れて、その行動が適切か否かを吟味できる。この隙を作ることが大切なのだ。この隙が出来れば、自分の行動を正しく操縦することができる。

脳は、次の行動を始めるまでの段取りが多ければ多いほど自動操縦から離れることができるのだ。どこにでもお菓子を置かずに机の右側だけに置く。机の机の上に置かずに引き出しの中に入れる。引き出しの中に入れずに机から離れた場所に置く。という具合に、脳がその行為を始めるまでの段取りを増やしていけば、脳はその行動を達成するために、意識的に計画を立てなければならなくなる。こうすれば、自動操縦から離れる隙も長くなるので、あなたは容易く自分の行動を正しい方向に縦することができるのだ。

目の前の課題以外はしない

やるべき課題を脳に良い分かりやすくするために、資料や教科書、参考書をたくさん積み上げて置くのも避けなければならない。集中して勉強する時間を作った時は、つい1日に取り組みたい課題を、全て机の上に積み上げて置きたくなる。しかし、これが脳にとっては集中力の妨げになってしまう。

いくつかやりたい課題があっても、まずは机の上に出すのはひとつだけにする。それが終わったら、入れ替わりに次の課題を出す。こうすることで、脳は自然に目の前の課題に集中することができるのである。

「それ」だけはしない場所をつくる

勉強をしなければならないのに、どうしてもスマホが止められない、という経験がある人も少なくないだろう。ちょっとした時間があると、メールやSNS を見てしまう。これも無理に止めようとせず、脳の仕組みをうまく利用する。

この場所だけにはスマホを持ち込まない、という場所を決めてみる?まずは、勉強とは直接関係ない場所でも大丈夫だ。寝室やトイレ、洗面所・台所など場所を決めて、その場所に行く時には、必ずスマホを置いていく。これだけでいいのだ。

何かを止められない場合は、まずそのものととにかく離れる時間を作ることが大切。何もしなくても脳にどんどん情報が入ってくる世の中だが、その過剰な情報から脳を守るシェルターを作るようなイメージだ。

スマホから離れる時間を作ることができると、メールやSNSを見たいと膨らんだ衝動がしぼんでいくことに気づくはずだ。衝動が沸き起こった行動が、できないと分かってしぼんでいく体験ができれば、スマホとの間に隙ができる。この隙が、脳を自動操縦から自分の操縦に取り戻すチャンスなのだ。

一旦スマホとの間に隙を作ることができたら、さらに場所を区切って、スマホを使う場所と使わない場所を決めていくことができ、勉強する場所からスマホを遠ざけることができる。

まとめ

机で勉強するときは、勉強に関係ないモノは絶対に置いてはならない。勉強以外のモノを持ち込むと、脳が勉強以外の行為を記憶し、勉強することの意欲をなくさせるのだ。

しかし、机以外の場所を作ることが難しい場合は、机を分割し、視覚的に場所を設定すれば大丈夫だ。一緒の場所に置くから、無意識に別の行動をしてしまうのであって、しっかり場所が別れていれば問題はない。

また、同じ勉強をするにしても、数学やって、国語もやらないと…いやいや、明日は英語のテストだとばかりに、なんでもかんでも机に積み上げても効率は上がらない。勉強するにしても、一教科ごとで行うと集中力を切らさずにすむ。

スマホについては、集中したい場所には持ち込まないようにすれば、勉強する場所から遠ざけることができる。習慣自体はなかなか止めることができないが、無理に止めようとすると、かえってストレスを抱えることになるので、きちんとした距離感で利用すれば問題ない。

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